こんにちは。
スマレジ社員のゆうです。
今回は、スマレジの使い方とは趣向を変え、「カスタマーハラスメント」について、お話をしていきます。
カスタマーハラスメントは、私共にもありますし、スマレジをご利用のユーザーの皆様にも起こりうるトラブルとなります。
「カスタマーハラスメント」という言葉自体は、ここ数年でかなり浸透してきた印象があります。以前は「クレーマー」という言い方が主流でしたが、単なる苦情と、人格否定や威圧的な要求を分けて捉える動きが強まり、この言葉が使われるようになったと感じています。
「カスタマーハラスメント」という言葉を聞いて真っ先に思い浮かぶのが、
「お客様は神様です」
という言葉です。
「お客様は神様です」という言葉は、歌手の三波春夫が1961年に舞台での自身の心構えとして語ったものです。
お客さんを神様と見立てて、雑念を払って完璧な芸を尽くすという姿勢を表現したものであり、客の立場が強いという意味ではありません。
しかしながら、現代では「お客様は神様です」という言葉だけが独り歩きし、その意味については考えられず、「お客様の方が立場が上なんだ!」と誤った解釈で使われることが多くなりました。
日本では、この言葉が念頭にあるのか、お店側に対して理不尽な要求をする人が一定数いらっしゃいます。
特に飲食店や小売、コールセンターなど「人と直接対面する仕事」ほど、この問題への意識が高まっているように見えます。逆に、社内業務が中心の職種では、まだ「クレーム対応の延長」として捉えられているケースも多い印象です。
一般的にイメージされやすいのは、大声で怒鳴る、土下座を要求する、といった分かりやすい行為です。ただ、実際に現場で問題になりやすいのは、もっと地味で判断に迷うケースだと思います。たとえば「同じ説明を何度もさせる」「電話を長時間切らせない」「特定の店員を名指しで攻撃する」といったものです。派手さはないものの、対応する側の疲弊は大きく、これが積み重なることで離職につながることも珍しくありません。
■何がカスタマーハラスメントを引き起こすのか
原因を一つに絞るのは難しく、正直なところ「わからない」部分も多いです。ただ、いくつかの要因が重なって起きやすくなる、という見方はできそうです。
一つ目は「期待値のズレ」です。顧客側が「お金を払っているのだから、これくらいは当然」と思っているラインと、店舗側が提供できる範囲にズレがあると、そこに不満が生まれやすくなります。特にサービス業では、価格と対応の質が必ずしも比例しないため、このズレが起きやすいと考えられます。
二つ目は「感情の行き場」です。これは推測になりますが、仕事や家庭のストレスが背景にあり、たまたま接した店員に感情をぶつけてしまう、というケースは一定数あるのではないかと思います。実際、クレームの内容と怒りの強さが釣り合っていないと感じる場面は、現場で働いたことがある人なら一度は経験があるはずです。
三つ目は「対応した側の反応」です。ここは店舗側にも見直せる点があります。最初の一言が事務的すぎたり、逆に過剰に謝りすぎたりすると、相手の態度がエスカレートすることがあります。原因が完全に顧客側にあるとは限らず、対応の仕方によって悪化する場合もある、というのは覚えておいた方がいい視点です。
■カスタマーハラスメントに対する考え方
ここは顧客側と店舗側、両方の視点で分けて整理します。
【顧客側の考え方】
まず前提として、「不満を伝えること」自体は正当な行為です。商品が壊れていた、説明と違った、対応が雑だった、こうした指摘は改善のために必要なものです。問題になるのは、指摘の内容ではなく「伝え方」です。
たとえば「商品が不良品だったので交換してほしい」は正当な要求です。一方で「不良品だったから土下座しろ」「担当者をクビにしろ」となると、要求の範囲を超えています。顧客側が意識すべきなのは、「自分が伝えたいのは事実の指摘か、それとも相手への攻撃か」という区別だと思います。ここが曖昧なまま感情的になると、正当な主張であっても、ハラスメントとして扱われてしまう可能性があります。
【店舗側の考え方】
店舗側にまず必要なのは、「クレーム」と「ハラスメント」を切り分ける基準を持つことです。感覚的に「嫌な客だ」で判断するのではなく、たとえば「同じ要求を何度も繰り返しているか」「暴言や人格否定があるか」「業務に支障が出るほど時間を拘束しているか」といった、ある程度客観的な線引きを持っておくと、現場の判断がぶれにくくなります。
また、「お客様は絶対」という考え方を一旦横に置くことも大切です。これは接客業の否定ではなく、対等な関係の上でサービスを提供するという考え方への切り替えです。実際、この意識が浸透している職場ほど、従業員が萎縮せずに対応できている印象があります。
■カスタマーハラスメントが起こった際に取るべき行動
実際に起きてしまった場合、個人だけで抱え込まないことが最優先です。以下は、現場で実践しやすい手順として整理したものです。
1.一人で判断しない
対応した本人が「これはハラスメントかもしれない」と感じた時点で、上司や同僚に共有します。判断を一人に背負わせないことが、エスカレートを防ぐ最初のステップです。
2.事実を記録する
いつ、誰が、何を言ったか、可能な範囲でメモを残します。感情的な言い回しではなく、「〇時〇分、大声で30分以上同じ要求を繰り返した」のように、事実ベースで書くのがポイントです。録音や録画が可能な業種であれば、それも有効な手段になります。
3.対応する人を交代する
同じ担当者が対応し続けると、相手の感情がその人個人に向かいやすくなります。上長や別の担当者に交代することで、状況が落ち着くケースは多いです。
4.線引きを明確に伝える
「本日はこれ以上の対応はいたしかねます」といった形で、対応の範囲をはっきり伝えることも必要です。曖昧なまま引き延ばすと、相手にとって「まだ通用する」というサインになってしまいます。
5.必要であれば外部の力を借りる
暴言が続く、脅迫めいた発言がある、といった場合は、迷わず警察や弁護士に相談する選択肢を持っておくべきです。これは大げさな対応ではなく、従業員を守るための正当な手段です。
■最後に
カスタマーハラスメントという言葉は広まりましたが、「どこからがハラスメントか」という線引きは、業種や状況によって変わる部分が多く、明確な正解があるわけではありません。
だからこそ、顧客側は「伝え方」を、店舗側は「線引きの基準」を、それぞれ意識しておくことが、無用なトラブルを減らす一番の近道だと感じています。